海の力を補い、健やかな車海老を育む。
第一弾は、海の天良海老の養殖に「光合成細菌」や「酵素」を取り入れた新たな養殖方法に協力して取り組んでいる株式会社Ciamo の代表取締役 古賀 碧さんと社長の宮川の対談をご紹介いたします。
宮川:きっかけは、代表の古賀さんが出演されているテレビ番組を偶然目にして「これは!」と思い、すぐにインターネットで調べました。農業を中心に活用されていた光合成細菌を、海老の養殖にも生かせないだろうか?と問い合わせましたね。
古賀:もともと、大学のラボでは海老をメインの研究対象としていたので、ご連絡をいただいたときは驚きましたし、何より嬉しくて!ぜひやらせてくださいとお返事しました。最初は沖縄にある200トンのコンクリート水槽で120日間の実験を行い、車海老の体重UPや死亡率の減少などの効果が見られたので、天草にも導入していただけることになりました。
宮川:昔と変わらず美しい天草の海ですが、海中の環境は年々変化していますし、海そのものの力、生きものを育てる生命力のようなものが低下していると感じます。そういった部分を上手く補ってくれるのが光合成細菌。餌、水質、面積…どれだけ丁寧に管理しても、死んでしまう車海老は出てきますが、光合成細菌を取り入れることで歩留りが向上し、免疫力の高い、強い車海老を育てられるようになりました。もちろん、一匹あたりの体重も増加し、より大きく味の濃い、お客様に選ばれる車海老になったと自負しています。
古賀:光合成細菌を与える適切なタイミングや環境など、宮川社長からたくさんのことを学ばせていただいています。まだまだ研究途上なので、データを蓄積して、より効果的な活用法を探っていきたいです。車海老は熊本県の県魚。地元を代表する産物をもっと盛り上げていけるよう、お手伝いできたらと思っています!
大切に育んだ車海老を世界中に届けたい。
天草や沖縄の海が持つ自然の恵みを生かし、「光合成細菌」等を使用し、
環境負荷の小さい養殖方法で育まれた海の天良車海老。
薬品を一切使用せず、高品質を目指しています。
そんな海の天良車海老には、驚くほどの手間と作り手の愛情がかけられているます。
古賀:もうすぐ、孵化した車海老の赤ちゃんを養殖池に移すタイミングですね。採卵から孵化、稚海老に育つまでの1ヶ月間は孵化場に泊まり込み、最初のうちは1時間おきに様子を見ていると伺ったときはびっくりしました!
宮川:人間の赤ちゃんと同じか、それ以上の過保護さですよね(笑)。孵化してすぐの海老は体も小さく、ちょっとした環境の変化ですぐに死んでしまうんです。だから、決して気は抜けません。最初に光合成細菌を与えたときも、実はかなりドキドキしていました。
古賀:赤ちゃん車海老にとっては、劇的な変化ですよね! もちろん研究室では遺伝子レベルで車海老の質が向上すると結果が得られていますが、狭い水槽と孵化場ではまったく環境が違うので、無事に結果が出てくれて、私もホッとしました。
宮川:稚海老は、数も体重も詳細なデータを取っているのですが、光合成細菌を使うようになってから、歩留まりも餌の食いつきも明らかに違います。車海老の養殖は、いかに死なない健康な車海老を育てられるかにかかっているので、とてもありがたいです。
古賀:ありがとうございます。車海老の品質向上の他に、今後の展望はありますか?
宮川:これまで以上に安定して良い車海老を供給できるようになれば、規模の拡大やご要望の多い海外進出も可能です。微生物の力で育った元気な車海老を、当社独自の技術“活け〆”と組み合わせれば、飲食業界全体のロスも減らしつつ、多くのお客様に喜んでいただけるかなと思っています。
古賀:海外のお客様にも喜んでいただきたいですね!私たちも、より効率的で、効果の高い光合成細菌の活用を目指して頑張ります。